東鳴子温泉(ひがしなるこおんせん)

【交通】
 車:東北自動車道古川ICより国道47号線経由、
    約27KM。ICからは鳴子温泉よりも手前。
    看板が出ているのでわかりやすい。どこの宿にも駐車スペースはある。

     マピオンでの周辺地図    

【共同浴場】
 なし。各宿で立ち寄り入浴が出来る。

【宿泊施設】
 旅館・民宿・自炊宿など数軒あり。

 鳴子温泉郷のHP

【泉質等】
 炭酸水素塩泉、重曹泉、単純泉、ラジウム泉など。宿によってひいている源泉が異なるので泉質も変わる。
 各宿の前に泉質は表記してある。源泉温度は50〜90度くらい。

【効能】
 婦人病、創傷、虚弱児童など。
 泉質が異なれば効能も違ってくる。 

【入った風呂】
 私が自炊湯治をした宿「明正館」さんは女性用内湯1つと
 混浴内湯1つのみ。
 以前宿泊した「二宮荘」さんは男女別の内湯各1でした。
 「高友旅館」さんは混浴、家族風呂、男女別の風呂など沢山のお風呂があります。
 泉質もいくつもあって、さまざま。
 「いさぜん旅館」さんは、混浴が1つと男女別が各1。女性用の風呂はすごい(下記参照)。
 「田中温泉」さんは混浴が1箇所と女性用が1箇所、家族風呂が2箇所あります。


 鳴子温泉のすぐ近くなのですが雰囲気は全く違います。
 鳴子は観光の要素も兼ね備えた温泉街。東鳴子はあまり観光は意識していないように見えます。
 実際鳴子も東鳴子も昔は湯治場だったので、東鳴子はそのままを守ってきたというべきでしょうか。
 大変静かな温泉街です。

 この温泉で数日間湯治をしました。
 「明正館」さんは自炊もOK 、普通の食事つきの宿泊もOKです。
 自炊用の部屋には、各部屋ごとに流しとガス台があって、自分の部屋で調理できるようになっています。

 お風呂は上で書いたように、混浴1つと女湯が1つ。こちらは混浴の浴室です。
 結構大きな浴槽で、6〜7人は入れる大きさです。
 すこし緑がかった熱めのお湯で、とてもよく温まります。
 熱めのお湯にさっと短時間入ると、あまり温まらないような気がしますが
 ここのお湯は本当に体の芯まで温まります。

 

こちらは女性用。混浴に比べるとかなり小さく感じますが、お湯は同じです。
浴室が小さい分、熱気がこもりやすく、冬は浴室そのものが暖かい。
こちらの宿で使用している源泉はなんと90度以上あるのだそうで
夏は熱くてちょっと大変なんだとか。
湯治中は夜中などに目が覚めると、トイレの帰りにちょっとお風呂に寄って温まったりして
この熱いお湯に大変お世話になりました。

 

さて2005年12月、久しぶりに明正館さんに再訪し宿泊。
で、2年ぶりくらいに入ったのですが「こんなにいいお湯だったのか」と改めて感動。
浴室中にはアブラ臭が充満し、その匂いとしっとりした肌触りに、何度も入りなおしました。
そしてここの宿には、家族風呂もあったのです(前回はなんと知らなかった)。
独り占めできる浴室で窓を開けたりして露天気分を楽しみながら、
心ゆくまで満足した入浴タイムとなりました。

 

*2007年、明正館さんは廃業されてしまったようです。
 自炊逗留などでさんざんお世話になった宿だけに、とても寂しい思いです。
 そしてとてもいいお湯だったので、もう入れないのかと思うと残念です。
 今までどうもお疲れ様でした。いいお湯を、本当にありがとうございました。

 

 別の機会に、やはり東鳴子の「高友旅館」さんに1泊しました。
 こちらの宿はとても古く、中は建て増しを重ねたようにちょっと複雑。
 窓枠などもサッシではなくて木枠。その木枠のところどころに簡単な飾りの彫刻がしてあるのですが
 それらは黒光りして、とてもいい味わいを出しています。

 

ここの名物は「黒湯」と呼ばれるお風呂。
混浴ですが、女性専用の小さな浴室も別にあります。
かなり大きな浴室で、コンクリート打ちっぱなしの浴槽に、ちょっと緑がかったお湯。
浴室に入った途端アブラ臭を感じるのですが、このお湯で顔を洗うと更に強く感じます。
「行きに寄ろうか帰りに寄ろうか、ならば行きにも帰りにも」と
黒湯を歌った都都逸が脱衣所に飾られていましたが、本当にそんな気にさせてくれるお湯でした。

 

 これは黒湯浴槽の横にある、別の源泉の浴槽です。
 ぬるめのお湯で、湯出口からのお湯の流入は一定量ではなく
 自然湧出を感じさせるお湯でした。
 この浴槽の横に、温泉成分が詰まってしまって駄目になった導管が置かれていたのですが
 内腔が半分以下になっており、成分の濃さを目で見て実感してしまいました。

 

貸切できる家族風呂 ラムネ風呂 瓢箪風呂
この宿には源泉が4本、浴槽は7つあり、色々なお湯が楽しめます。
黒湯も印象的でしたが、びっくりしたのが「ラムネラムネ風呂」。
炭酸泉なのですが、42〜43度くらいあるのに泡付がすごくいいのです。
炭酸は高温だと飛んでしまうので、この温度でこれだけ泡付があるのは珍しい。

 

さて、こちらは「いさぜん旅館」さんです。
こちらの宿も自炊湯治を受け付けています。
3種類のお湯が楽しめる宿ですが、それ以外にも驚かされることが。

 

こちらは混浴のお風呂。炭酸泉と鉄泉・重曹泉です。
脱衣所から浴室に入ると、真ん中に衝立があって
この写真のように衝立の両側にお風呂があります。
雰囲気もよく、お湯も適温ですべすべの肌触り。
いかにも湯治場という感じのお風呂でした。

 

男女別の内湯と露天です。ほぼ透明な熱いお湯が溢れています。
ツルツルする感触がたまらず、また寒い冬には有難い温度。
特に露天は外気で冷やされて、長湯が出来るくらいの温度となっています。
町中なので眺望はききませんが、雪が吹き込む中での温泉は
本当に極楽気分でありました。

 

この宿で驚かされたのが、これらのタイガースグッズ。
宿のどなたかが熱烈な虎ファンらしく、男女別浴室はタイガースだらけ。
湯桶、腰掛、足拭きマットに至るまで、すべてタイガースなのです。
いや〜それにしても、お風呂用品のタイガースグッズがこんなにあるとは。
本当にびっくりしました。

 

2006年暮、名声高い「田中温泉」に行きました。
泉質のよさと施設のB級感がたまらないという評判の宿。
結構大きな建物で、びっくりしました。

 

ここには女性用の風呂と家族風呂、そして混浴があります。
混浴の浴室はとても大きい。
湯気のたちこめる浴室に入ると、アブラ臭がむんむんしています。
ほぼ無色透明のお湯で、温度は丁度いい。
コップが置いてあるので飲んでみると、味はないものの凄い匂いです。
アブラ臭の強いお湯を口に含むと、鼻に抜ける時は強烈ですね。
ゴムを食べているかのような感じです。

 

のんびりとお湯に浸かっていると、2組のご夫婦が入って来られました。
慌ててあがろうとすると、「ああ、大丈夫ですよ〜」。
いや、私が混浴が得意ではないのです(笑)。
地元の人と思われますが、とてもなれた感じでした。
昔の温泉って、こんな感じだったんだろうなあ。
老いも若きも男も女も一緒になって。
なんだか、しみじみしてしまいました。

 

さて女湯はというと、こんな感じです。3〜4人入れるくらいです。
でも浴室が狭い分、匂いは強烈です。
湯出口に顔を近づけると、やはりものすごい匂い。
このアブラ臭を存分に楽しみたいなら、小さい浴室のほうがいいかも。

 

もっと小さな浴室の貸切風呂です。2人が入って、いっぱいのサイズ。
全ての浴室に同じお湯が引かれており、湯量の豊富さを思わせます。

私がとても感心したのは、地元の人が結構多く訪れていたことです。
はっきり言ってこの「田中温泉」は、とてもぼろいのです。
設備的にも昔のままだし、照明なども暗い。施設も古い。
他にきれいな施設は沢山あるのに、あえてここに来る地元の人は、
お湯のよさに惹かれているのでしょう。
お湯は本当に素晴らしいので、このB級感を納得できる人にのみ
ここはおすすめいたします。

 

温泉街の端に、最寄り駅の「鳴子御殿湯駅」があります。
この駅舎、最近建てかえられたばかり。まだ新しく、ぴかぴかです。
駅舎の建てかえには、東鳴子温泉の旅館組合さんが色々な面でご尽力なさったそうです。
その甲斐あってか、とても素敵な駅舎に生まれ変わりました。

 

待合室には畳も敷かれ、とても快適な待合室となっています。
ここは無人駅なのですが、なんと旅館組合がお金を出し合って
人を雇っているのです。
でもJR側は人を出していないので、無人駅とされています。
旅館組合の温泉街活性化に対する意気込みと努力が伺えて、
なんだか心まで温かくなるお話でした。

 

東鳴子温泉から国道に出ると、すぐ目の前にダムによる人造湖があります。
昔はこの川が良く氾濫して、東鳴子あたりはかなり被害にあったそうです。
現在はその人造湖に、冬になると白鳥が沢山やってきます。
その向こうには、雪をかぶった山々があります。
本当に素晴らしいお湯が楽しめる温泉でありますので、もっと沢山の人に知って欲しい温泉街です。
でも現在の静かな雰囲気も保って欲しいという思いもあります。私のわがままですが。
静かな町のままで、本当にお湯を楽しむお客が増えてくれるといいな、と心から思いました。

【最終訪問】
 2006年12月

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