黒薙温泉(くろなぎおんせん)

   【交通】
    車:不可。
    電車:黒部峡谷鉄道の黒薙駅が最寄り駅。そこから徒歩10〜15分。
        トンネルの中を通るコースと、山道を歩くコースがある。
        トンネルの中のほうが、アップダウンは少ないが、やはり多少の坂はある。

      マピオンでの周辺地図

   【共同浴場】
    なし。下記の「黒薙温泉旅館」で立ち寄り入浴が出来る。

   【宿泊施設】
    1軒「黒薙温泉旅館」

    @黒薙温泉旅館
      富山県下新川郡宇奈月町黒薙    0765-62-1820
      立ち寄り入浴時間 トロッコ電車の開始時刻から終了時刻まで 500円
      11月〜4月上旬まではトロッコ電車が走らないので休業するが、他は無休

   【泉質等】
    アルカリ性単純泉。源泉温度は100度近い。
    無色透明無味、微かに硫黄の匂いがする。

   【効能】
    神経痛、筋肉痛、五十肩、慢性消化器病など。

   【風呂の様子】
    男女別の内湯が各1と、女性用露天、混浴露天が1つずつ。
    女性用露天と混浴露天が入れ代わる時間帯があるので、注意。
    ただし、その時間でなくても、混浴の露天には女性はバスタオルの軍艦巻きで入れる。
    バスタオルは宿で200円で貸出している。脱衣所は男女別にあり。


黒部峡谷鉄道のトロッコ列車は、立山黒部アルペンルートと並ぶ
富山の人気観光スポットです。
これに乗らなければ、行くことのできない温泉はいくつかありますが、
宇奈月の源泉である「黒薙温泉」もそのひとつです。
昨年宇奈月に行ってから、是非とも黒薙へも行ってみたいと思っていましたが、
今回ようやく行けることとなりました。
宇奈月駅から30分ほどの黒薙駅で降りて、後は徒歩なのですが、
行き方は2パターンあります。

 

まずひとつは、トンネルの中を通っていくコース。
ホームから山側を見ると、左のようなトンネルがあります。
ここから黒薙温泉まで行けるのです。
中は当然ながら暗めですが、雨風関係ないし、
アップダウンが少ないので、疲れません。

トンネルからホームを見る

 

途中で道が枝分かれするのですが、大丈夫。
ちゃんと黒薙までの道には、看板がかかっています。
どんどん歩いていくと、右のような出口に出ます。
私はここに宿泊したのですが、帰りの日は雨だったので、
このトンネル経由で駅まで行きました。

 

もう1コースは、山道です。
ホームから見える、黒薙温泉の看板の横の道を上がります。
1分ほど上っただけで、右写真のような眺めとなります。
それなりに整えられた道とはいえ、アップダウンは結構にある。
しかし、15分ほどで宿まで到着しますので、それ程の距離ではありません。
また、トンネルでは見ることの出来ない光景を見ながら、行くことが出来ます。

 


眼下を濁流が。
すごい。

この橋の上には工具が。
ここで作業するのかー。

このような看板が
ところどころに。

下に女性用露天の
屋根が見えてきます。

 

そんなこんなで玄関に到着。この山奥で、かなり立派な建物です。
聞けば、この建物が最初に建てられたのは、100年ほど前とのこと。
勿論その後も修繕したりなど手を加えているわけですが、
100年前にこんな場所に、湯小屋を建てたなんて。
色々な意味ですごいです。

 

通された部屋の窓を開けると、このような景色。
これ、宿の目の前ですよ。窓からの眺望が、これです。
すさまじい流れ、落ちたら絶対に生きては帰れないであろう、
山のすさまじいパワーを感じる流れです。
水流の音もすごいんですが、こういう音って気にならないんですよね。
本当に不思議です。

 

さて、早速お風呂へ。右が男湯、左が女湯です。
どちらも掛流しで、きれいなお湯が床にあふれています。
勿論飲泉もできて、どちらにもコップがちゃんと置いてありました。
硫黄の匂いを微かに感じる、とても飲み易いお湯です。
ここではカランのお湯も、温泉です。湯量は本当に豊富です。
肌に優しい感じのお湯で、万人向けだと思います。

 

内湯への途中、こんなスペースを発見しました。
はて、ここは自炊は受け付けていなかったのでは?
この場所に関しては、後に明らかになりました。

 

女性用露天「天女の湯」は、宿をはさんで混浴露天と反対側にあります。
窓から眺めた川を横に眺めながら歩くと、左のような脱衣所が。

 

脱衣所のすぐ近くに露天はあります。
屋根がついているので、雨の日でも大丈夫。
5〜6人は入れる大きさで、川を眺めながらのんびりと入れます。
温度は適温で、熱くなったら湯からあがって、川面を渡る風に吹かれる。
そんな繰り返しで、いつまでも入っていられるお風呂です。

 

左は露天から溢れて流れていく温泉。
右は、川の向こうにやはり湯気が上がっているのが見えたので、撮影。
このあたりは、あちこちからお湯が湧きだしているようです。
宇奈月温泉が使っても、まだまだ余るほどの湯量なのでしょう。
なんとも恵まれた話であります。

 

もう一つの露天風呂は、混浴です。
ただし、バスタオルを巻いて入ることが許可されているので、
女性は宿から200円でバスタオルを借りるといいでしょう。
やはりここへ来たからには、入らなければ勿体無い。
それでもやっぱり・・・という方は、女性専用時間を利用しましょう。
宿からは歩いて2〜3分くらい。
道もちゃんとしているので、サンダル履きで楽々行けます。

 

近づくにつれて、湯気が見えてきました。
しかしこれは露天風呂からの湯気ではなく、そのすぐ近くにある、
源泉井からの湯気なのです。
お湯のなんとも言えない、いい匂いがあたりに漂っており、
わくわくしてきます。

 

20人以上は楽に入れる大きさの露天風呂。巨大で、豪快です。
巨石を配してあり、すぐ近くは川。
川の流れる轟々という音を聞きながら、ぬるめのお湯にゆったりと入れます。
この日、温度は40度くらいだったでしょうか。いつまでも入っていられそうでした。
迫り来る山に囲まれて、いいお湯に浸かる。本当に贅沢な時間を過ごせます。

 

露天のすぐ近くにある、源泉井戸です。
蓋はかたく閉じられていますが、この下に温泉があるのです。
このあたりを裸足で歩くと、コンクリートが熱いんですよ。
黒薙の源泉は100度近くあるそうなので、無理もない。
ここから遠くの宇奈月まで、お湯を送っているのですね。

 

さて、黒薙温泉は冬季休業と書きましたが、厳密には休業ではありません。
冬は一般客が来られなくなるだけで、工事関係者は普通に入山しています。
その人たちが、冬場に宿泊するのです。それで炊事場があったのですね。
冬季はトロッコ列車は当然ながら走りません。橋を1箇所、雪崩防止のために、
外してしまうくらいですから。
では、どうやってここまで工事関係者は来るのか?当然ですが、徒歩で来るのです。
黒薙温泉の人も、冬場は徒歩で宇奈月からやってきます。トンネルを通って。
凍りつく立山の冬、トンネルの中を数時間歩き続けて、この温泉に来るのです。
真冬でも工事や、メンテナンスの仕事は絶えずあるわけで、
その人たちを冬の間温めてくれるのは、この温泉なのです。
こんな山奥で真冬に働くのは、本当に大変なことでしょう。
この温泉で芯まで温まって、つらい冬を乗り切って欲しいと思います。

 

   【最終訪問】
    2006年5月

HOMEへ>>富山県一覧へ