那須湯本温泉(なすゆもとおんせん)

【交通】
 車:東北自動車道那須ICより県道経由、約20KM強。
    観光客のための無料駐車場はあるのだがあまり広くは無い。
    共同浴場前にも駐車場はあるが、いつも車はいっぱい。 車で行くならお早めに。観光シーズンだと道も渋滞する。
    また冬はスタッドレス必須。

     マピオンでの周辺地図    

【共同浴場】
 1軒「鹿の湯」。この他にも宿の立ち寄り湯がある。

 @鹿の湯
   0287−76−3098
   年中無休 入浴時間8:00〜17:00 400円

 那須温泉旅館協同組合のHP←ここに各旅館の情報あり

【宿泊施設】
 ホテル・旅館・民宿などたくさんある。

 那須町役場観光商工課 0287−72−6918
 那須観光協会のHP
 那須温泉旅館協同組合のHP

【泉質等】
 単純泉、硫黄泉など。源泉温度は28〜80度。
 泉質により違うが、共同浴場「鹿の湯」は
 白濁したつるつる感のあるお湯。酸っぱい。硫黄臭。

【効能】
 神経痛、慢性皮膚病、疲労回復など。

【風呂の様子】
 共同浴場「鹿の湯」の場合は男女別の内湯。浴槽がいくつもあり、濃度と温度が違う。
 体を洗う人のための場所は温まるための浴槽とは少し離れたところにある。蛇口からも源泉がでてくる。

 湯本温泉街の2軒の共同湯は、どちらも木の浴室。
 カランなどは全くなく、源泉が大きな湯壺に注がれており、それで髪や体を洗う。
 内湯民宿「南月」さんのお風呂は内湯2か所で、どちらも貸切可能。
 硫黄泉が掛流しで利用されている。こちらは真湯のシャワーとカランがある。
 「雲海閣」さんのお風呂は、源泉2本。男女別で、カランやシャワーなどはない。
 「老松温泉 喜楽旅館」さんは、男女別内湯のみ。やはりシャワーやカランなどなし。



この道の左に殺生石
右が鹿の湯
 那須の殺生石の有名な伝説は皆さんご存知でしょうか。
 時の皇帝に仕えていた玉藻の前という美しい女性が実は金毛九尾の狐が化けたものであり
 それを陰陽師が退治して石に変えたというものです。その石が殺生石。
 石になった後も毒気を噴出し、そばに寄った生き物は全て死んでしまうという恐ろしいもの。
 これは硫化水素ガスのためで、ガスの濃度が高くなれば勿論人間だって危ない。
 ちゃんと科学的に説明がついていることですが、昔の人は怖かったでしょうね。
 その殺生石があるのが那須湯本温泉。
 共同浴場「鹿の湯」は道路を挟んで殺生石のお向かいです。

 

 人気施設でいつも混んでいます。
 上にも書いたように男女別の内湯のみなのですが大変雰囲気もよく、気持ちの良いお風呂です。
 客層は観光客と地元の人が半々といったところ。

玄関から浴室への渡り廊下

 


温度差のある浴槽が沢山
 小さめの浴槽がいくつもあり、41〜46度と温度差があります。
 その日の気温によって入っている人の多い浴槽に差が出てきます。
 ここの源泉の温度はかなり熱いため、水を入れて薄めて温度調節をしているのですが
 温度によって湯の花の量や大きさが微妙に違うのが面白い。
 お湯はいずれも白濁していてつるつるした肌触り。
 46度の浴槽はさすがに熱いですが、冬の寒い日はこの温度が結構心地よかったりします。
 総木造りの浴室は硫黄の匂いで満ちており、窓を閉めていると湯気が立ち込めて白くなっています。
 少し薄暗い照明と窓からの自然光。なんともいえない良い雰囲気です。

 

この鹿の湯を通り過ぎていくと、湯本温泉の温泉街があります。
温泉街と言ってもお土産物屋さんなどは一切なく、
普通の住宅と宿が並んでいるという、とても静かな通りです。
この中にも2軒、共同浴場があるのですが、
こちらは鹿の湯と違って、お金を払って入ることはできません。
湯本温泉の宿に宿泊すると、このような共同湯の鍵を貸してくれるのです。
内湯を備えていない宿もあって、そちらのお客さんはみんな共同湯を利用します。
つまり昔の日本の温泉街の方法を未だに続けているのですね。
みんなでカラコロ下駄を鳴らして、タオルを持って共同浴場へ。
とてものどかで、心温まる光景です。

 


滝の湯
その共同湯の一つ、「滝の湯」。温泉街の中心に位置します。
川沿いに建っており、対岸には1軒の宿があります。
そこのお客さんたちが、続々と入りに来ていました。

 

中はこのように、源泉がそのままの状態で使われています。
硫黄が強いので、鹿の湯と同様に木の浴室。
カランなども全くなく、温泉が大きな木の湯壺から
延々と滝のように洗面器に注がれています。
温泉をフルに活用しているのですね。素晴らしい。
純粋にお湯を楽しむという面でも、十分すぎるほどのお風呂です。

 


名もなき共同湯
もう1軒の共同湯は、名前すら出ていません。
滝の湯に比べて簡素な外観ですが、これぞ共同湯という雰囲気。
もうこの見た目だけで、ワクワクします。

 

ここも滝の湯と同様に、温泉がそのまま掛流しになっています。
カランがなくて、湯壺からお湯を汲んで洗うというのも同じ。
面積はこちらのほうが狭めで、地元の人が殆どです。
みんな浴槽のふちに腰かけたりお湯に入ったりしながら、
日常の世間話を楽しんでいました。
こちらのほうがより共同湯っぽい雰囲気でした。

 

温泉街の中にあった、内湯を備えた宿にあった足湯。
その奥が浴室なのでしょうが、「元湯温泉」と書かれた字が
また何とも言えない、いい感じです。
しかし湯量が多いのですねえ。

 

さて私が宿泊したのは、内湯民宿「南月」さん。
女将さんはここの生まれ育ちで、色々と興味深いお話を聞かせて下さいました。
硫黄が強すぎる土地のため、あっという間に電化製品が劣化するとか、
いいお湯が湧いているがための苦労も半端ではないようです。

南月

 

3人も入ればいっぱいの浴槽に溢れる白濁したお湯。
とても強烈なお湯のようで、お湯に浸かっていた皮膚は真っ赤に。
でも体が冷えると、あっという間に元の色に戻ります。
そんな現象を楽しみながら入っていると、本当に芯まで温まる。
このお湯で洗った髪はサラサラになり、とってもしっとり落ち着きました。

 

透明度は右の写真くらいです。底は見えません。
排水口は、左の写真のように真っ白です。
この宿には私たちの他にも宿泊者がいたのですが、
その人たちも何度も何度もお風呂に入りに来ていました。
すごく強烈なのに、また入りたいと思わせるお湯なのですね。

 

さて、鹿の湯から少し離れた場所にもう1箇所、
温泉宿がいくつか固まっている場所があります。
玄関には「鹿の湯源泉 かけ流しの宿」という布が下がっています。
この布が下がっている所は、鹿の湯から源泉を引いてきているというしるし。
この他にも数軒の宿に、この印が見られました。
那須湯元の温泉は、殆ど「鹿の湯」か「行人の湯」、またはそれらのミックスです。

喜久屋旅館

 

 湯気で煙る浴室はタイル張り。小ぢんまりしていますが、落ち着いた浴室です。
 かすかに白濁したツルツル感のあるお湯はそれほど熱くなく、のんびり入れます。
 奥のほうには寝湯もあります。
 良いお湯で長時間過ごすにはもってこいです。

 

鹿の湯近くの温泉街には、素泊まりの宿もあります。
ここ「雲海閣」は素泊まりもしくは自炊湯治のみの宿。
2007年の年末、恒例の温泉旅行の最初の宿でした。
やはり年末年始は混雑がすごいとのことでしたが、
私が行ったのは年末には少し早めだったため、
殆ど貸し切りに近い状態で、お湯を堪能できました。

 

自炊の宿だけあって、台所もとても広くて充実。
鍋、釜は勿論、簡単な食器もありますので、
食材とお箸さえ持参すれば、普通にご飯が作れます。
とてもきれいに管理されていて、気持ちよく使えます。

 

さて、お風呂です。
こちらの宿は鹿の湯源泉と大丸源泉の2本を引いており、
こちらは鹿の湯源泉のお風呂です。
男湯も女湯も、浴槽は2つ。温度差があります。
温度によって微妙に白濁に違いがあるのが興味深いところです。

 

加水は一切しておらず、このような杭でお湯の投入量を加減し、
温度差をつけています。
杭の穴の大きさや打ち込む程度によって、お湯の量が変わってくる。
鹿の湯の源泉ですのでとても熱く、目にしみて酸っぱいです。
ツルツルの感触のお湯に入って硫黄の匂いに包まれていると、
本当に幸せな気分になります。
キンキンに冷えた空気の中、熱いお湯に入って体がほぐれると、
心の底からほっとしますね。

 

もう1つの大丸源泉のお風呂。明礬泉です。
無色透明で適温、匂いはありませんが、微かに酸っぱみを感じます。
キシキシした感触で、硫黄泉に比べるとインパクトが弱いようですが、
このお湯も想像以上によく温まる。
温度が丁度いいもんだから、調子に乗って長湯したら、
汗がひかなくなりました。
脱衣所の天井では湯気が凍りついているくらいの寒さの中、
何度も入って温まることができて、大満足な宿泊でした。

 

さて、温泉街から少し離れた場所に、とても有名な宿があります。
宿と言っても、現在は立ち寄り入浴のみの受付となっている、
「老松温泉 喜楽旅館」は、お湯の良さだけではなく、
鄙びた雰囲気も人気のポイントです。
この看板がなければ、この先に宿があるなんてわからないような、
ダート道の先にあります。
場所を知らない方は、夜行くのは避けたほうがいいかも。
灯りなどがないので、迷うこと必至です。日中なら問題なし。

 

道の左右に、木造の建物があります。
お風呂がある建物と、受付の建物は別。
受付で料金を払って、向かいの建物に入ると、
浴室までは右写真のような、急な階段があります。

 

浴室はすべて木で、温度差のある浴槽が2つ。
窓からの自然の光に湯面が映えて、湯気でかすんでいます。
朝早かったためか貸切状態で、ゆっくり入らせていただきました。
お湯が少しずつ注がれるお湯の音のみの静寂の世界。
冷えた体に温泉の熱がしみわたって、指先がじんじんしてきました。
体がほぐれていくのが実感として感じ取れました。

 

お湯の表面には成分のうすい膜ができています。
お湯は加熱していますが、バルブをひねると冷たい温泉が出てきます。
それをコップに受けて飲みながら、このような温泉宿が未だ残っていることに、
心から有難いと感じました。
飾りや華美さはないけれど、素晴らしいお湯があって、
それを求めてくる人がたくさんいるからこそ、このような場所が残る。
本当にありがたいことです。

 

観光地として有名ですが、温泉神社もある歴史のある温泉地です。
泉質も硫黄泉だけでなく色々ありますので、違いを見てみるのも面白いかと思います。
避暑地でもあるので夏は涼しく快適ですが、冬はかなりの寒さと積雪です。
寒さに凍えたら温泉に入って温まりましょう。

      

【最終訪問】
 2007年12月

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