内湯と外湯


「内湯」「外湯」って時々聞く言葉ですが何でしょうか?
「渋温泉外湯めぐり」「野沢温泉外湯」とか
「旅館の内湯」なんて言いますね。

「内湯」「外湯」の本来の意味は
自分の家のお風呂は「内湯」外のお風呂は「外湯」ということです。
つまり共同浴場などは全部「外湯」。
旅館にとっては、旅館の中の浴室が「内湯」となります。
これは浴室内の(つまり建物内の)お風呂だけでなく
旅館の露天風呂も内湯となるのです。
最近は浴室内のお風呂を「内湯」、露天風呂を「外湯」と
言っていることが多いようですが、本来の意味はちょっと違います。

でも確かに「露天風呂」に対して浴室内のお風呂のことを何と言うか?というと
一言で言うのに困ったりするわけです。
そういうときには「内湯」「外湯」って言い方は便利。
話し言葉だと「中のお風呂」と言ったりもしますが、
書き言葉のときは中のお風呂だとスムーズな感じがしません。
それでこういう言い方が定着したのでしょう。

この「湯でたこの温泉めぐり」でも
臨機応変に「内湯」「外湯」を使わせていただきます。
できるだけ基本に沿っていきたいとは思いますが
やむをえずに使う場合もありますのでご了承ください。

昔は今のように内湯を備えた温泉旅館というものはありませんでした。
宿は宿泊するための場所、お風呂は誰もが外湯に行ったのです。
現在もそういう昔ながらのスタイルを保っているところは残っています。
青森の温湯温泉、長野の霊泉寺温泉、栃木の塩原温泉新湯などがよい例です。
勿論内湯を備えた宿もあるのですがない宿もある。
その宿に宿泊した人たちは、外にある共同浴場へ通うのです。
地域差もあるのですが「○○旅館」ではなく「○○客舎」という名称のところはまず内湯は備えていません。
そういう宿は建物も古く、とても風情があるものです。
誤解しないで頂きたいのですが、内湯の有無で宿のランクは決まりません。
一度宿泊するとわかりますが、建物は古いかもしれないけど、ボロいわけではない。
中にはもう2度と見ることのできないような匠の技が生きている宿もあって
日本建築に興味のある方なら垂涎の的となるような建築物もあります。
それになんといっても外湯めぐりの醍醐味は、地域の人たちとのふれあいが望めることです。
宿のお風呂だけだと、そのような経験はできません。
地元の人たちとの何気ない会話は、温泉めぐりを何年続けていても嬉しいもの。
内湯の備わった温泉宿に泊まっても、近くに共同浴場があったら是非入ってみてください。
もしかしたらそれが忘れられない思い出となるかもしれませんよ。



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